カンボジア織物とは
カンボジア織物は、インドの織物文化を受けて独自に発展しました。代表的な木綿織物にはクロマー、絹織物にはサンポットホールやピダンがあります。カンボジアの伝統色は、青(藍)、赤(ラック)、黄(プロフーと呼ばれるオトギリソウ科の樹皮)、緑(黄と青の重ね色)、黒(青と赤の重ね色)の5色すべて天然染料です。絹織物は、三枚綜絖による綾織りが基本で、文様を横絣で織り上げます。
クロマーとは
サンポット・ホールとは
ピダンとは
カンボジア社会に深く浸透した信仰と宗教的実践に基づいています。心をこめて制作して仏に奉納する気持ちから作られました。ピダンが仏像を守る「覆い」となるのと同様に仏が自分を守り、無病息災、平穏無事に生きることができるよう仏が助けてくれることを願っています。絵柄は仏教説話、神話、習俗、自然に関するモチーフで、ひとつの物語が、大きな絵模様で、絹織物に描かれています。仏教に関る古代説話ジャータカ(本生譚)、白い象、鳳凰、宇宙観や精神世界などを描いたものが多く、ナーガ(インド神話における大蛇または龍。不死・生命を象徴し、カンボジアでは、水・大海や大地を司る守護神)、アプサラ(天女)、生命樹(ヒンドゥー教の中では神格化)、バイサイ(供物)、その他、帆船、鹿、馬、孔雀、小鳥、花、雲、なども描かれています。ピダンの制作には、膨大な時間を費やし、複雑な模様を織り出すための高度な技術が必要とされ、1枚のピダンの制作には、3ヶ月から6ヶ月を要します。(写真;(株)細尾所蔵品)
ハンモックツリーの取組み
2007年以来カンボジアスタディツアーで現地での交流において、カンボジアの伝統織物が滅びかけていることを知りました。世界に誇る織物文化を継承醸成するためには、村落共同体が生業としていくことが必要であります。そしてそれにより村人が現金収入の途を得ることで、子どもたちが元気に育っていくことになります。
- 織工賃が村の女性たちの安定した生活費に;縫製工場に流出している女性たちが村にもどり、村が村立できます。
- 伝統織物の復元や持続的な技術保存に;消滅の危機にあるクメール民族の織物文化の保存につながります。
- お買いあげ高の20%を村の小さな幼稚園支援に充当
織物フェアトレード